Dify APIの使い方は？　活用するメリットや注意点も解説

AIで社内業務の効率化を図ろうとしても、「どのようなシステムを使用すれば良いか分からない」「開発に多くのリソースを割きたくない」と悩みを抱える企業担当者の方もいるのではないでしょうか。

こうした課題を解決するツールが「Dify」です。
Difyを活用すれば、ノーコードで生成AIアプリを開発できるだけでなく、APIと組み合わせることで、既存システムや業務フローにAI機能を組み込み、効果的な業務効率化が期待できます。
本記事では、Dify APIの使い方や実際のリクエスト例、注意点について分かりやすく解説します。

Difyとは？

Difyとは、プログラミングの知識がなくても、ノーコードで生成AIアプリを開発できるツールです。
日本語対応の管理画面が用意されており、直感的な操作で開発を進められます。
OpenAIやAnthropicなどのLLM（大規模言語モデル）を使用でき、用途に応じてモデルを切り替えれば、多様なビジネスシーンで役立てられます。

Dify APIとは？

Dify APIとは、Difyの機能を他のアプリケーションやサービスに組み込むための仕組みです。
APIを使えば、自社のWebサービスや社内ツール上に、Difyのチャット機能を組み込んだり、ユーザーの入力に応じた自動応答を実装したりすることができます。
他には、Webサイトのお問い合わせページにDifyを組み込み、ユーザーが入力内容を事前に審査し、不適切な表現や情報が含まれていないかを確認するといった使い方も考えられます。

Dify APIの活用で実現できること

Dify APIを活用すれば、さまざまな業務を効率化できます。
具体的な活用例は、以下の通りです。

• 社内チャットボットの導入
• ナレッジ検索システムの構築
• 書類作成業務の効率化

社内チャットボットの導入

SlackやChatworkといった社内チャットにDifyAPIを連携させれば、社内向けのAIチャットボットをスムーズに構築できます。
例えば、有給の申請方法や福利厚生の内容といった従業員からよく寄せられる質問に対し、AIが自動で回答してくれるようになります。

ナレッジ検索システムの構築

Dify APIは、社内に蓄積されたナレッジの検索システムの構築にも活用できます。
具体的には、FAQや議事録などの文書データからAIが検索し、該当箇所を抽出・表示するシステムです。

数多くのナレッジから知りたい情報を探すと、該当データが見つかるまでに時間がかかってしまいます。
しかし、Dify APIを活用することで、業務上の疑問を迅速に解決できる環境づくりが可能です。

書類作成業務の効率化

Dify APIを使えば、書類作成業務の効率化も期待できます。
例えば、請求書作成で使用している自社ツールにDify APIを連携させれば、入力された取引先情報や過去の金額などをもとに、AIが請求書を自動作成してくれる仕組みです。

書類作成が効率化されれば、作業の手間を減らせるだけでなく、入力ミスや漏れなどのヒューマンエラーの防止が期待できます。

【Pythonで実装】Dify APIの使い方とリクエスト例

ここでは、初心者でも比較的学びやすいプログラミング言語「Python（パイソン）」を使ったDify APIの使い方を、以下の5ステップに分けて解説します。
具体的なリクエスト例も紹介しているため、AIアプリを開発する際の参考にしてください。

1. Difyのアカウントを作成する
2. Dify APIキーを取得する
3. Pythonをインストールし、コマンドを実行する
4. Dify APIにリクエストを送信する
5. Difyからの応答を取得する

1.Difyのアカウントを作成する

まずはDify公式サイトからアカウントを作成しましょう。
トップページの「始める」をクリックし、メールアドレスを入力してアカウント登録をします。
GoogleやGitHubアカウントでもログイン可能です。

2.Dify APIキーを取得する

ログインできたら、画面右上のユーザーアイコンをクリックし、表示されるメニューから「設定」を選択してください。
設定画面が表示されたら、左側のメニューから「モデルプロバイダー」をクリックします。

次に、連携させたいモデルを一覧から探してインストールし「セットアップ」をクリックしましょう。
表示された入力欄に、各AIモデルのAPIキーを入力すれば、Difyと外部モデルとの連携が完了します。

3.Pythonをインストールし、コマンドを実行する

Pythonをインストールされていない場合は、Python公式サイトからインストールしましょう。

画面の上にあるメニューの「Download」→「Python3.13.3をダウンロード」をクリックしてダウンロードします。
その後、ダウンロードしたファイルを開き、案内に沿ってパソコンにインストールしましょう。

インストール後は、Dify APIにアクセスするために必要なライブラリを追加します。
Windowsの場合はコマンドプロンプト（Macの場合はターミナル）を開き、以下のコマンドを入力してください。

pip install requests

4.Dify APIにリクエストを送信する

先ほどインストールしたrequestsライブラリを使用して、DifyのAPIにリクエストを送信します。
以下はDify APIに「有給休暇の申請方法を教えてください」とリクエストを送る際のサンプルコードです。

import requests from typing import Dict   # Dify APIの認証キー API_KEY = ‘app-xxx’  # 取得したAPIキーに置き換えてください # Dify APIのベースURL BASE_URL = ‘https://api.dify.ai/v1/chat-messages’   def get_dify_response(query: str, user: str) -> str:     “””     Dify APIにリクエストを送信し、応答を取得する関数       :param query: ユーザーの質問     :param user: ユーザー識別子     :return: APIからの応答テキスト     “””     headers = {         ‘Authorization’: f’Bearer {API_KEY}’,         ‘Content-Type’: ‘application/json’     }         data: Dict[str, any] = {         “inputs”: {},         “query”: query,         “response_mode”: “blocking”,         “user”: user,     }         response = requests.post(BASE_URL, headers=headers, json=data)     response.raise_for_status()         return response.json()[‘answer’]   if __name__ == “__main__”:     query = “有給休暇の申請方法を教えてください。 “     user = “xx@xx”  # アカウントのメールアドレス         try:         answer = get_dify_response(query, user)         print(answer)     except requests.RequestException as e:         print(f”エラーが発生しました: {e}”)

5.Difyからの応答を取得する

リクエストを送信すると、Difyから応答が返ってきます。
自動で生成された応答が画面上に表示されるため、内容を確認しましょう。

Dify APIを活用するメリット

Dify APIを活用する大きなメリットは、すでに構築されている自社の環境に合わせてDifyの機能を取り入れられる点です。
さらに、これらをノーコードで実装できるため、エンジニアでなくてもプロトタイプ作成や業務連携がスムーズに行えます。

社内のツールやデータベースと連携させながら、必要なデータを柔軟に組み込めるため、従来の汎用ツールでは対応が難しかった細かな業務にも対応可能です。

Google workspaceやSlackなど、自社で活用しているツールとも連携できるため、既存の業務フローを大きく変えずに、AIを活用した業務効率化が実現できます。

Dify APIを活用する際はAPIキーの漏えいに注意

Dify APIを活用する際は、APIキーの取り扱いに細心の注意が必要です。
APIキーとは、外部からDifyにアクセスするための認証情報です。
APIキーが第三者に漏れてしまうと、悪用されて自社の情報資産が危険にさらされる可能性があります。

GitHubなどの公開リポジトリにキーを書き込んだままアップデートしない、アクセス権限を限定するなどのセキュリティ対策を講じて、安全な運用を心掛けましょう。

Dify APIの連携で社内効率化につながるシステムを構築しよう

Difyは、ノーコードで生成AIアプリを開発できるだけでなく、API連携により社内業務の効率化を図れるツールです。
チャットボットを導入したり、ナレッジ検索を自動化したりすることで、部署間での情報共有がスムーズになり、業務全体の生産性向上を期待できます。

社内効率化を図りたい、構築の手間を減らしながら高品質なAIアプリを開発したい企業担当者の方は、ぜひDifyの導入をご検討ください。

TDSE株式会社では、Difyのテクニカルサポートを行っています。
Difyの導入や活用についてお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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