DifyとNotionを連携させる方法は？　活用例やツールの特徴も解説

社内の情報共有がうまくできていなかったり、問い合わせ対応に時間がかかったりすると、業務の生産性が低下してしまいます。
情報が社内に分散している状態では、必要な情報を素早く見つけ出すことが難しく、対応の質やスピードに影響を及ぼします。

生産性や対応の質を高める手段として知られているのが、生成AIアプリをノーコードで構築できる「Dify」と情報の一元管理に優れた「Notion」の連携です。
本記事では、DifyとNotionを連携させる方法や具体的な活用方法を解説します。

そもそもDifyとは？

Difyとは、コーディング不要で生成AIアプリを開発できるツールです。

通常、AIアプリを開発するには、プログラミングの知識が求められます。
しかしDifyなら、非エンジニアでもドラッグ&ドロップなどの直感的操作でチャットボットやAIアシスタントを構築可能です。

ChatGPTやClaudeなどのLLM（大規模言語モデル）との接続や、外部ツールとの連携もできます。
さまざまなツールと組み合わせて、ノーコードで高機能なAIアプリを柔軟に開発できる実用性の高さが、Difyの大きな魅力といえるでしょう。

Difyと連携可能なNotionとは？

Notionとは、業務に必要な情報を一元的に整理・共有できるツールです。
ドキュメント作成からタスク管理、データベース構築まで幅広い業務に役立ちます。
多機能を搭載しているNotionとDifyを連携させれば、さらなる業務効率化が期待できるでしょう。

Difyでは、RAG（検索拡張生成）を利用できます。
RAGとは、あらかじめ指定したデータソース（社内ドキュメントやWebページなど）から必要な情報を自動で抽出し、LLMで回答を生成する技術のことです。

このRAGの情報源にNotionを活用すれば、社内ナレッジを的確に参照でき、問い合わせ対応や資料作成の効率化が期待できます。

DifyとNotionを連携させてできること

DifyとNotionを連携すると、Notionで管理しているデータをAIが読み取り、活用するシステムを構築できます。
例えば、Difyで作成したチャットボットのナレッジにNotionで管理しているドキュメントを追加することで、その内容を基にユーザーの質問に回答できるようになります。
またNotion内のデータをDifyのAIが解析し、内容に応じて「A案件」「B案件」といったカテゴリに自動で分類することも可能です。

このように、手間のかかる業務をDifyとNotionを連携させて解決すれば、社内の生産性向上が期待できます。

DifyとNotionを連携させる方法

ここでは、DifyとNotionを連携させる方法について解説します。
具体的なステップは、以下の通りです。

1. Difyのアカウントを作成する
2. NotionのAPIキーを発行する
3. Difyの設定ファイルにNotion連携の情報を追加する
4. DifyがNotionに接続されているか確認する
5. Notion側からDifyに接続する
6. DifyでNotionのデータを取り込む

1.Difyのアカウントを作成する

Difyの公式サイトにアクセスし、画面右上の「始める」からDifyアカウントを作成します。
メールアドレスを入力し、案内に従って登録しましょう。
GoogleやGitHubのアカウントでもサインアップ可能です。

2.NotionのAPIキーを発行する

NotionとDifyを連携させるには、NotionのAPIキー（内部インテグレーションシークレット）を取得する必要があります。
APIキーとは、ソフトウェア同士を連携させる際に使用する認証用の文字列のことです。

具体的な取得手順は、以下の通りです。

1. Notionのインテグレーションにアクセスする
2. 「＋新しいインテグレーション」をクリックする
3. 「インテグレーション名を追加」に任意の名前を入力する
4. 「関連ワークスペース」「種類」を選択して「保存」をクリックする
5. 内部インテグレーションシークレットの「表示」をクリックする
6. 「コピー」をクリックしてNotion APIキーをコピーする

APIキーが外部に漏えいすると、自社の情報が第三者に悪用される可能性があります。
漏えいしないように厳重に管理しましょう。

3.Difyの設定ファイルにNotion連携の情報を追加する

Difyの設定ファイルにNotion連携用の情報を追加します。
DockerでDifyを使っている場合は「docker-compose.yml」に、以下の2つの環境変数を追加してください。

NOTION_INTEGRATION_TYPE: internal NOTION_INTERNAL_SECRET:取得したAPIキー

「NOTION_INTERNAL_SECRET」には、取得したNotion APIキーを入力します。

4.DifyがNotionに接続されているか確認する

DifyがNotionに接続されているか確認します。
以下のコマンドを実行してDifyを再起動しましょう。

docker compose down docker compose up -d

再起動後は、Dify設定画面から「データソース」にアクセスします。
「Connected」と表示されていれば接続完了です。

5.Notion側からDifyに接続する

DifyがNotionのデータを読み取れるようにするには、Notion側からもDifyに接続する必要があります。

1. NotionでDifyに読み込ませたいページを開く
2. メニューから「接続先」を選択する
3. 作成したインテグレーションを選択し、ページへのアクセスを許可する

これで、DifyがNotionのページ内容を参照できるようになります。

6.DifyでNotionのデータを取り込む

DifyでNotionのデータを取り込みます。
Difyの管理画面にログインし、左メニューから「ナレッジ」を選択してください。
「ナレッジ」から「知識の追加」をクリックし「Notionから同期」を選択します。

その後、取り込みたいNotionデータにチェックを入れ「次へ」をクリックしたら連携は完了です。

DifyとNotionの連携による具体的な活用例

DifyとNotionを連携させることで、情報の管理から検索・活用までを一貫して行えるようになります。
ここでは、代表的な活用例を2つ紹介します。

問い合わせ対応の一次対応

代表的な活用例は、社内外からの問い合わせに対する一次対応です。
Difyで構築したチャットボットに、Notion内のマニュアルやFAQデータを連携させれば、よくある問い合わせに対してAIが自動で回答できるようになります。

人による対応では、返答が営業時間内に限られてしまいます。
しかし、DifyならNotionのデータを基に24時間いつでも正確な回答が可能です。
結果として、手間を大幅に削減できるだけでなく、顧客満足度や社内満足度の向上が期待できます。

議事録作成・共有の効率化

DifyとNotionを組み合わせて、議事録作成・共有を効率化することもできます。
例えば、音声認識対応のLLMで会議内容を文字に起こし、Difyの要約機能で必要な情報を抽出します。
Difyで作成した議事録をNotionに保存すれば、関係者と情報をスムーズに共有可能です。

Notionでは複数人での共同編集に対応しているため、関係者全員がリアルタイムで内容を確認できます。
会議後に情報を補足したり、誤りを修正したりすることもできるため、議事録の正確性と鮮度が保たれ、業務効率化につながります。

DifyとNotionを組み合わせて業務効率化を図ろう

DifyとNotionを組み合わせることによって、情報の収集・整理・検索・活用までを一元化できます。
生成AIによる情報活用やナレッジ管理により、問い合わせ対応や資料作成、情報共有の手間を大幅に削減できる点が大きな強みです。
情報の分散を防ぎながら、AIを活用した業務効率化を図りたい企業さまは、ぜひDifyとNotionの連携を検討してみてください。

TDSE株式会社では、Difyのテクニカルサポートを承っています。
Difyの導入や活用についてお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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