DifyをGitHubからクローンして使う手順は？　Difyの業務への活用例も紹介！

GitHubは、Webサイトやアプリなどのソースコードを一元管理できるプラットフォームです。
このGitHubと生成AIアプリをノーコードで開発できるDifyを組み合わせれば、自社の業務に特化したAIツールを構築・運用でき、業務効率化が期待できます。

本記事では、DifyをGitHubから使用する手順や具体的な活用例、メリットについて解説します。

Difyとは？　主な特徴を紹介

Difyとは、業務やビジネスシーンに合わせたAIアプリを簡単に開発できるツールです。

主な特徴は以下の5つです。

• ノーコードで生成AIアプリが作れる
• 幅広いLLM（大規模言語モデル）に対応している
• RAG機能で正確な回答を生成できる
• 自社環境に合わせてカスタマイズできる
• 高いセキュリティ対策の下で運用できる

ノーコードで生成AIアプリが作れる

Difyは、チャットボットやAIエージェントといった生成AIアプリをノーコードで開発できるツールです。
管理画面を直感的に操作できるため、プログラミングの経験がない方でも簡単にAIアプリを開発できます。

テンプレートも用意されているため開発のハードルが低く、業務フローに合わせた生成AIアプリを効率的に導入可能です。

幅広いLLM（大規模言語モデル）に対応している

Difyは、幅広いLLM（大規模言語モデル）に対応しています。

Difyで接続できる主なLLMは、以下の通りです。

• ChatGPT
• Gemini
• Claude
• Llama
• Mistral

上記以外のLLMにも対応しており、目的や業務内容に応じてより適したなモデルを選べます。
文章生成や画像分類、データの分析など、実現したいことに応じた使い分けが可能です。

RAG機能で正確な回答を生成できる

Difyには、RAG機能が備わっています。
RAGは「Retrieval Augmented Generation」の略称で、外部のドキュメントを検索し、AIがユーザーのニーズに基づいて回答を生成する仕組みです。

例えば、Dify内に就業規則に関する資料を取り込んでおけば、チャットボットに人事関係の質問が来た際に、その資料を基に正確な回答を提示します。

問い合わせ業務の効率化を図りたいときや、データベースの検索をするためのAIを作りたいときに役立つ機能です。

自社環境に合わせてカスタマイズできる

Difyはオープンソースで提供されているため、必要に応じて自由にカスタマイズできます。
自社でのカスタマイズは難しくても、Difyの導入を支援する企業のサポートを受ければ、より精度の高いAIアプリを構築できるでしょう。

Google検索やSlackなどの外部ツールとのAPI連携も簡単にできるため、既存の業務フローを大きく変えずにAIの導入を進められます。

高いセキュリティ対策の下で運用できる

Difyは自社サーバー上でも運用できるため、外部にデータを預けずに情報を管理可能です。

クラウドやブラウザを介して利用する場合は、インターネットを経由するため、社内の情報が外部に漏えいするリスクが高まります。
自社内でのネットワーク環境でも使用できるDifyなら、個人情報や社内の機密情報が記載された文書を扱う際も安心です。
クラウドやブラウザでしか使用できないツールと比べて、情報漏えいのリスクを抑えやすいといえます。

GitHubとは？

GitHub（ギットハブ）とは、ソフトウェアのソースコードをクラウド上で公開・管理・共有できるプラットフォームです。
プログラマーや開発チームが作ったプログラムをアップロードし、修正履歴を記録しながら、複数人での共同開発を効率的に進めるために使われます。

誰が、いつ、どのような修正をしたかが明確に記録されるため、開発作業をスムーズに進めやすい点が主な特徴です。
トラブルやミスの原因を特定したいときも、システム内で修正履歴を確認すれば、すぐに対応できます。

企業・個人を問わず多くのプログラマーに利用されており、IT業界にとどまらず、さまざまな分野で活用されています。

DifyをGitHubからクローンして使い始めるまでの手順

ここからは、DifyをGitHubからクローンして使い始める手順を解説します。
DifyとGitHubを組み合わせて活用することで、開発作業や管理業務の効率化が可能です。

具体的なステップは、以下の通りです。

1. Gitをインストールする
2. GitHubからDifyのソースコードをクローンする
3. Dockerをダウンロードする
4. DockerでDifyを起動する

1.Gitをインストールする

まずはソースコードのバージョン履歴を管理するツール「Git」をインストールしましょう。

最初にGitのダウンロードサイトにアクセスし、使用しているOSに対応したインストーラーをダウンロードしてください。
その後は、画面の案内に従って操作します。
いくつか設定画面が連続して表示されますが、基本的には「Next」を選択すれば問題ありません

OSがWindowsの場合は「Git Bash」も一緒にインストールされ、以後の操作に使用します。
スタートメニューに「Git Bash」と表示されていればステップ1は完了です。

2.GitHubからDifyのソースコードをクローンする

次は、GitHubからDifyのソースコードをクローンします。
クローンとは、GitHub上にあるDifyのコードを自社のパソコンにコピーして使えるようにする操作のことです。

コマンドプロンプトを起動させ、以下のコマンドを実行しましょう。

git clone https://github.com/langgenius/dify.git

これで、Difyのソースコードが入ったDifyのフォルダが自社パソコンに作成されます。

3.Dockerをダウンロードする

Difyのソースコードをクローンできたら、Dockerをダウンロードしましょう。

まずはDockerの公式サイトにアクセスし、画面右上の「Get started」をクリックします。

ダウンロードしたファイルをクリックし、画面の案内に従ってDockerをインストールします。
インストール後、基本的にパソコンが自動的に再起動されますが、されない場合は手動で再起動してください。

再起動後に保存場所からDockerを起動し、初期設定を済ませたらステップ3は完了です。

4.DockerでDifyを起動する

Dockerの準備ができたら、DifyをDockerで起動しましょう。
コマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを実行します。

cd dify/docker

続いて、起動に必要な設定ファイル「.env」を作成します。
以下のコマンドを実行してください。

cp .env.example .env

次に、Docker ComposeでDifyを起動するために、以下のコマンドを実行してください。
ただし、Dockerのバージョンによって、入力コマンドが変わるため注意が必要です。

Docker Compose V2の場合

docker compose up -d

Docker Compose V1の場合

docker-compose up -d

最後に、ブラウザで以下のURLにアクセスして初期設定を完了させましょう。

http://localhost/install

設定後は、以下のURLにてDifyを使用できます。

http://localhost/

以上で、GitHubからDifyをインストールして使い始めるまでの手順は終了です。

【活用事例】Difyはあらゆるビジネスシーンで活用できる

Difyは単体で使用しても役立つツールですが、社内ドキュメントや外部ツールと連携すれば、さらに幅広い業務に対応できます。

具体的なビジネスシーンでの活用例は、以下の通りです。

• 顧客・社内向けチャットボット
• コンテンツ作成（テキスト・画像など）
• マーケティングの分析作業

顧客・社内向けチャットボット

Difyを社内ドキュメントと連携させれば、顧客対応や社内問い合わせ対応を自動化するAIチャットボットが簡単に構築できます。

カスタマーサポートや社内ヘルプデスクには、日々多くの質問が寄せられます。
毎日全ての質問に対応していると、担当者の業務負担が大きくなってしまうでしょう。

そこで、Difyで開発したチャットボットにあらかじめマニュアルや就業規則といった社内ドキュメントを連携させておけば、自動的にAIが該当資料を検索し、応答してくれます。
担当者は個別対応の時間を削減でき、業務負担が小さくなるでしょう。

コンテンツ作成（テキスト・画像など）

Difyは、文章や画像といったコンテンツの制作にも活用可能です。
商品説明文やブログ記事、SNS投稿文などを自動で作成できるため、ライターやデザイナーの負担を軽減できます。

自ら複数の文書を作成するのは時間も手間もかかりますが、DifyならAIが自動で文書を生成してくれます。
担当者の負担を減らしつつ、業務効率化を図れるのが大きなメリットです。

さらに、Difyで作成したコンテンツや生成フローをGitHub上で一元管理すれば、バージョン履歴をすぐに確認できます。
誰がどのような調整を加えたかが明確になるため、複数人で運用する際の情報共有や管理工数の削減につながるでしょう。

マーケティングの分析作業

Difyは、マーケティングの分析作業にも活用可能です。
例えば、顧客の行動履歴やメルマガの開封率などのデータを読み込ませれば、傾向の把握や改善ポイントの抽出をAIに任せられ、レポート作成の手間を省けます。
市場調査で必要な競合他社の情報も、Difyに収集・要約させることで効率的に整理できるのもメリットです。

またマーケティング施策の一環としてWebサイトをリニューアルする際に、GitHubでコンテンツやコードを管理しておくことで、過去の変更履歴を確認しながらスムーズに改善作業を進められます。

Difyを活用して効率的にAIアプリを開発しよう

Difyはプログラミングの知識がなくても、ノーコードでAIアプリを開発できるツールです。
ブラウザ上でも使用できますが、GitHubからクローンしてローカル環境で運用することで、自社独自のカスタマイズを加えながら使用できます。

TDSE株式会社では、Difyのテクニカルサポートを行っています。
Difyの導入や活用についてお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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