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- 投稿日
- 2025.03.27
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- 更新日
- 2025.03.27
経済産業省がDXの必要性をガイドラインで定めたことで、多くの企業がDXを推進しています。
DXを実現する上で、AIはキーとなる技術です。
しかし、AIの導入を検討しているものの、具体的な活用方法が分からないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、DX推進にAI技術が必要な理由や活用方法、注意点などを解説します。
目次
AIとは?
AIとは「Artificial Intelligence」の略で、日本語では「人工知能」と呼ばれています。
まずは、AIの定義とできることについて把握しておきましょう。
AIの定義
AI(人工知能)は、人間が持つ知性や知覚などを模倣して再現するための技術です。
あくまでも人間の知能を模倣した技術であり、完全に人間の認識や感情を再現できるものではありません。
AIの定義に関しては明確に定まっておらず「知能を有するコンピュータ・プログラムを作成する科学技術である」と定義する研究者も存在します。
AIはディープラーニング(深層学習)を通して年々精度が高まっており、さまざまな分野で活用されるようになりました。
ビジネスにおける課題の解決策として、期待が高まっています。
AI技術でできること
AIは膨大なデータを分析しており、規則に基づく特定のタスクを実行することが得意です。
データの分析手法には、機械学習やディープラーニングがあります。
機械学習は膨大なデータを分析することで、ルールやパターンに則したタスクを実行する技術です。
一方、ディープラーニングは機械学習の一種であり、より高度な分析とタスクの実行が行えます。
AIは膨大なデータを学習することで、以下のようなタスクの実行が可能です。
- 自然言語処理
- 画像認識
- 音声認識
- 予測・パターン認識
- 機械制御
AIは多様な分野で活用されていますが、必ずしも万能ではありません。
人間による意思決定が必要不可欠であり、あくまで人間をサポートする技術として重宝されています。
DXとは?
DXとは「Digital Transformation(デジタル・トランスフォーメーション)」の略で、直訳すると「デジタル変革」となります。
DXの定義
DXは、これまでアナログで行われていた業務のデジタル化によって、企業を変革することです。
言葉自体は、2004年にスウェーデンのエリック・ストルターマン教授によって提唱されました。
彼の論文では、デジタル技術によって人々の生活を向上させることの必要性について言及されています。
日本においては2018年に経済産業省のレポートで取り上げられたことで、国内企業でもDXの重要性が認識されるようになりました(※)。
※参考:経済産業省.「DX 支援ガイダンス」p6.https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/dx/dxshienguidance.pdf ,(参照2025-02-18).
DXの必要性
DXが求められるようになった背景には、インターネットやAIの普及による社会全体の急速なデジタル化があります。
市場競争の激化や既存システムの老朽化、技術者の高齢化といった課題に直面する企業にとって、DX推進は不可欠な戦略です。
社会の変化に柔軟に対応し、デジタル競争を勝ち抜くためには、DXによるビジネス変革が求められています。
従って、DX推進は単なる技術導入ではなく、企業の競争優位性を確立するための重要な経営戦略といえるでしょう。
AI技術とDXの関係性
AI技術は、DXを実現するための手段の一つです。
しかし、AI導入が必ずしもDXの成功を保証するわけではありません。
DX推進にAIを活用するには、AIの特性を理解し、業務に適用するスキルが求められます。
重要なのは、DXの目的達成のために、AI技術をいかに活用するかという戦略です。
AI技術は万能ではなく、AIを導入せずにDXを実現した事例も存在します。
AI導入には多額の費用がかかる場合もあるため、専門知識を持った上で、自社の状況に合わせた慎重な検討が必要です。
AI技術がDX推進にもたらすメリット
AI技術をDX推進に導入すると次のようなメリットがあります。
- 業務効率化につながる
- 顧客体験の向上が期待できる
- 精度の高い予測が意思決定に役立つ
業務効率化につながる
AI技術を導入することでルーティンワークを自動化でき、業務効率化つながります。
例えば、カスタマーサポートでの問い合わせ対応をAIチャットボットに任せれば、人的リソースの削減につながります。
AI技術によって自動化することで、従業員は他の業務に集中できることは大きなメリットです。
また人手不足の場合でも単純作業の自動化によって、従業員を新たに募集することなく必要な部署に人員を配置できます。
顧客体験の向上が期待できる
AI技術を活用してDX推進を実現すると、顧客体験の向上にも期待できます。
例えば、顧客データをAI技術によって分析することで、ニーズや利便性の細かな理解が可能です。
分析結果を基に、顧客に対して新たな価値を創出・提供できるでしょう。
またカスタマーサポートにAIチャットボットを導入すれば、顧客からの問い合わせに24時間対応することも可能です。
このように顧客体験を向上させることが、リピーターの増加につながります。
精度の高い予測が意思決定に役立つ
AIは膨大なデータの処理を得意としており、手動では処理しきれないデータの分析が可能です。
分析結果から精度の高い予測ができ、意思決定をサポートしてくれます。
近年は企業の規模を問わず、データの活用が不可欠です。
分析しなければならないデータは増え続けており、手動による処理はより困難になっていくでしょう。
しかし、DX推進の一環としてAI技術を導入することで、データの分析を自動化できます。
またリアルタイムの分析によって、市場やニーズの変化にも対応可能です。
DXにおけるAI技術の活用事例
AIはさまざまな業界・分野で活用されており、DXの実現に貢献する技術です。
分野ごとにニーズが異なるため、AIの種類を使い分ける必要があります。
ここではDXにおけるAI技術の活用事例を解説します。
AIによる待ち時間の予測
羽田空港では、保安検査場の混雑状況をリアルタイムで分析・可視化するシステムを導入しています。
このシステムは2カ所ある検査場の待ち時間の予測を完全に自動化しているのが特徴です。
以前は手荷物検査の待ち時間が分からないために、利用客は長時間列に並ばなければなりませんでした。
また、一方に利用客が偏り、航空機運行の遅延することも課題となっています。
しかし、システム導入後には表示される状況を参考に、スムーズに利用できる検査場を判断できるようになりました。
検査場の利用率を平準化でき、運航遅延の減少も期待されています。
自動運転技術へのAI技術の導入
AI技術は、自動車の自動運転にも活用されています。
近年は多くの自動車に安全支援システムや走行支援システムが搭載されるようになりました。
これらのシステムにはAI技術が採用されています。
自動車にはカメラやセンサーが搭載されており、車両周辺のオブジェクトを画像解析技術によって認識し、通行人や障害物を避けた安全な走行が可能です。
ただし、完全な自動運転はまだ実現していません(2025年2月時点)。
自動運転には自動化されている操作の範囲に応じて6つのレベルが設定されており、現在はレベル4の実証試験が経済産業省と国土交通省により行われている段階です(※)。
※参考:経済産業省,「国内初の中型バスでのレベル4自動運転による運行を開始します」.https://www.meti.go.jp/press/2024/01/20250124001/20250124001.html ,(参照2025-02-18).
DX推進にAIを活用するためのポイント
DX推進は、企業がデジタル競争で勝ち残るために欠かせません。
DX推進にAIを活用するにはポイントがあるため、事前に確認しておきましょう。
具体的には以下の4点が挙げられます。
- 明確な目標を設定する
- 必要なデータを取得する
- 社内でAI人材を育成する
- PDCAによる改善を実施する
それぞれの点について説明します。
明確な目標を設定する
DX推進を目的にAIを導入する際は、明確な目標を設定することが重要です。
具体的かつ明確な目的があれば、自社のニーズに合ったシステムや手法を選定しやすくなります。
そのため、まずは自社の現状分析を行い、AIを活用して達成すべき目標を定めてください。
DXの方向性が定まれば、目標達成までに実施すべきことが明らかになります。
具体的には、KPIの設定やロードマップの策定などが必要です。
例えば、顧客対応の自動化を目標とするなら、チャットボットを導入した方が良いでしょう。
目標から逆算する形でロードマップを策定することをおすすめします。
必要なデータを取得する
DXの実現にAIを活用するには、分析に必要なデータを取得する必要があります。
十分なデータが蓄積されていない場合、まずはデータの取得から実施してください。
AIを活用できるかどうかは、十分なデータが保管されているかにかかっています。
AIを多様な分野で活用するためには、いかに多くのデータを取得するかが重要です。
また単にデータを収集すれば良いのではなく、質の高いデータであることも求められます。
AIが分析しやすい形式にするには、データの加工や修正も必要です。
他には、正常データだけでなく異常データの収集も必須です。
異常の原因を究明し、学習に本来不要なデータを取り除くことで学習の質を高めましょう。
社内でAI人材を育成する
DX推進でAIを活用するには、AIに関する知識を持つ人材が必要不可欠です。
特に自社でAIを内製化する場合は、AIに精通人材を育成・確保しなければなりません。
しかし、近年は人材不足が問題となっており、AIに通じた人材の獲得は困難であるといわれています。
そのため、社内で候補者をピックアップし、AI人材へのスキルアップを目的とした教育が必要です。
AIを活用してビジネスに取り組めるスキルがあれば、研修を受けることで十分な知識やスキルを習得できる可能性があります。
PDCAによる改善を実施する
AIはあくまでも業務をサポートするためのツールであり、期待する業務を100%こなせるわけではありません。
そのため、どの業務までをAIに任せるべきなのか、AIの活用で何を実現したいのかを定めてください。
またAIはアルゴリズムのチューニングや学習データの内容によって、タスクを実行した際の精度が変化します。
目標とする精度に達成するまでは、PDCAによる改善を継続することが重要です。
ただし、どうしても精度が改善しないケースもあるため、どの段階で撤退すべきかの基準をあらかじめ決めておきましょう。
DX推進にAIを活用する際の注意点
AIは適切に活用できれば、DX推進に貢献してくれる技術です。
ただし、導入するに当たって注意点があるため、事前に把握しておきましょう。
- ロードマップを策定する
- セキュリティ対策を徹底する
- PoC倒れを避ける
ロードマップを策定する
DX推進にAIを活用する際は、導入前に必ずロードマップを策定しましょう。
ロードマップがあれば、AIの導入自体が目的になってしまうことを回避できます。
優先すべきタスクが明確になり、無駄な手間や労力をかけずに必要なアプローチへの集中が可能です。
AI活用のロードマップを策定する際は、AIの適用範囲や優先順位、予算、それに導入後の運用についても考慮に入れることが大切です。
また、ロードマップは最初に策定して終わりではなく、PDCAを回しながら改善を加える必要があります。
目標の達成に向けて、改善を重ねていきましょう。
セキュリティ対策を徹底する
AIを活用してDXの実現を目指す際は、セキュリティ対策を徹底しましょう。
AIを用いた分析には、膨大なデータが必要です。
顧客情報などの機密情報を取り扱う機会も多いため、十分なセキュリティ対策を行わなければなりません。
セキュリティ対策が不十分な場合、サイバー攻撃によって機密情報が漏えいするリスクもあります。
そのため、データの暗号化とアクセス制御は必ず実施してください。
また顧客のデータを分析する際は、プライバシー保護も徹底する必要があります。
顧客の同意を得た上で情報を収集し、法規制を遵守することが重要です。
PoC倒れを避ける
AIを活用したDX推進では、「Proof of Concept(PoC)」が重要になります。
PoCは日本語で「概念実証」と訳され、新しいアイデアが実際に実現できるかを検証するプロセスです。
企業がAIを導入する際には、事前に検証段階を設ける必要があります。
しかし、PoC倒れによってAIの導入を断念するケースは少なくありません。
PoCの実施過程で資源を消耗して、前に進めない状況を「PoC倒れ」と呼びます。
PoC倒れを避けるためにも、ロードマップを策定した上で必要に応じて修正を加えることが重要です。
AIを活用して自社のDXをスムーズに進めよう
企業が自社の競争力を高めるには、AIを活用したDXの実現が欠かせません。
しかし、AIの導入自体が目的になってしまうと、当初の目標を達成できなくなる可能性があります。
AIの導入はあくまでも一つの手段であり、本来の目標を忘れないことが重要です。
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