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AI生成物の著作権とは? 法律での取り扱いや注意点を解説

  • 投稿日
    2025.03.27
  • 更新日
    2025.03.27

生成AIの活用によって、テキストや画像の効率的な作成が可能です。
ただし、生成AIによって出力されたコンテンツが他者の著作権を侵害するリスクもあります。
そのため、ビジネスで生成AIを活用する前に、著作権に関して理解を深めておくことが重要です。

本記事では、AI生成物の著作権や法律における取り扱い、使用する際の注意点を解説します。

著作権侵害が成立する4つの要件

著作権とは、著作者が作成した著作物が無断で使用されることを防ぐための権利です。

以下4つの要件が成立した場合、著作権侵害で訴えられる可能性があります。

  • コンテンツが著作物である
  • 他者の著作物と似ている点がある
  • 他者の著作物を参照して作成されている
  • 著作物の利用が許されていない

コンテンツが著作物である

著作権侵害が認められるには、問題となっているコンテンツが著作物であることが前提となります。
著作物とは、思想や感情が創造的に表現されたもののことを指し、文芸や学術、美術、音楽の範囲に属するものなどがこれに該当します。

具体例としては、小説や楽曲、絵画、映画などが挙げられます。
これらのコンテンツは作者の個性や思想が表現されているため、著作物として保護されます。

一方、事実の伝達にとどまる雑報や時事の報道は著作物に該当しません。
またアイデア自体も表現ではないため、著作物として認められない点に注意が必要です。

他者の著作物と似ている点がある

著作権侵害と見なされるには、作成されたコンテンツが他者の著作物と酷似していることが必要です。
しかし、一部分のみが似ているというだけでは、必ずしも著作権侵害と断定されるわけではありません。

例えば、ありふれた表現方法や、一般的なアイデアに基づく類似性は、著作権侵害に該当しない場合があります。
著作権で保護されるのは、あくまでも創作的な表現であり、表現の本質的な特徴が似ている場合に、類似性が認められるためです。

他者の著作物を参照して作成されている

他者の著作物を参照してコンテンツが作成されたという「依拠性」も著作権侵害の成立要件となります。
他者の著作物を参考にしたり、模倣したりしてコンテンツを作成した場合は、著作権侵害と判断される可能性が高いです。

一方、既存の著作物に依拠せず独自に創作されたものであれば、たとえ結果的に似たものができたとしても、著作権侵害には当たりません。

著作物の利用が許されていない

利用が許可されていないにもかかわらず、他者の著作物を利用した場合も著作権侵害に当たります。

一般的に、利用の許可を得るには以下のような方法があります。

  • 著作者から利用許可をもらう
  • 著作権を譲渡してもらう
  • 著作物の出版社と契約を結ぶ
  • 文化庁長官の裁定を受ける

他者の著作物を利用する前に、権利者から許可をもらうことが重要です。

文化庁による生成AIと著作権に関する見解

生成AIの登場により、文化庁では生成AIや生成物の取り扱いに関して議論を重ねています。
生成AIと著作権の関係について、文化庁の見解を把握しておきましょう。

  • 生成AIの学習データとして用いるケース
  • 類似する生成物を商用利用したケース

生成AIの学習データとして用いるケース

生成AIの学習段階において、学習済みモデルを作成するために他者の著作物を用いるケースがあります。

著作物を学習データとして利用する場合でも非享受目的であると認められれば、著作権法第30条の4に該当し、権利者の許可がなくても著作物の利用が可能です(※)。

ただし、学習データとして用いる際に、著作物をコピーする形でコンテンツを出力した場合は著作権法第30条の4が適用されません。
AI開発を目的としていても、著作権侵害になる可能性があります。

※参考:文化庁.「AIと著作権に関する考え方について」p32.
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/pdf/94037901_01.pdf ,(参考2025‐02‐14).

類似する生成物を商用利用したケース

生成されたコンテンツを商用利用する場合は、通常の著作権侵害と同様の基準で判断されます。

著作権法において私的使用を目的とした複製は認められており、個人的に使用するための生成は著作権侵害に当たりません(※)。
しかし、商用利用では生成されたコンテンツが著作権侵害の要件を満たすと、著作者から訴えられる可能性があります。

また生成物に類似性が認められるものの、生成AIの利用者が他者の著作物を認識していなければ、依拠性がないと見なされるケースもあります。
ただし、依拠性がないと判断されるには、学習した著作物の表現が出力されない状態を技術的に担保することが必要です。

※参考:文化庁.「AIと著作権に関する考え方について」p6.
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/pdf/94037901_01.pdf ,(参照2025‐02‐14).

AI生成物が著作物として扱われるための条件

現行の法律では、AIによる生成物は「思想または感情を創作的に表現したもの」とは見なされず、現行制度上、著作物には該当しないと考えられています(※)。
(2025年2月時点)

つまり、生成AIを活用して優れたテキストや画像などを作成しても、コンテンツに対する著作権は主張できません。

ただし、著作権の付与には「創作的寄与」が重視されており、生成AIを活用した場合でも以下のケースでは著作権を認められる可能性があります。

  • 極めて詳細なプロンプトを用いて作成している
  • オリジナルのコンテンツを生成AIで出力している
  • 生成・修正・加筆を複数回行っている

※参考:首相官邸.「AIによって生み出される創作物の取扱い」p10.
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kensho_hyoka_kikaku/2016/jisedai_tizai/dai4/siryou2.pdf ,(参照2025‐02‐14).

AI生成ツール使用者が注意すべきポイント

AI生成物が著作権侵害に該当する場合、コンテンツの削除や配信停止を求められる可能性があります。
さらに、著作権者へ損害が発生した場合は、損害賠償請求に発展するかもしれません。

そのため、生成AIを利用する際は、生成されたコンテンツが著作権を侵害していないか、慎重に確認することが重要です。
他者の著作物と類似している点がないかを確認し、類似性がある場合は利用を控えるなどの対策を検討しましょう。

著作権に関する法律を把握した上で生成AIを活用しよう

生成AIの活用は、コンテンツ作成の効率化につながりますが、出力されたコンテンツが著作権を侵害するリスクも存在します。
そのため、企業が生成AIを導入する際は、著作権に関する正しい知識を習得することが不可欠です。
社内で生成AIの利用に関するガイドラインを設け、チェック体制を整えるなどの対策を行いましょう。

TDSE株式会社では、生成AIの導入支援サービスを提供しており、企業ごとの状況に合わせた適切な生成AIの選定から環境構築まで、トータルでサポートしています。

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