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- 投稿日
- 2025.03.27
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- 更新日
- 2025.03.27
チャットボットを導入すると、業務効率化や顧客対応の品質向上などが期待できます。
ただ、運用方法を誤ると思ったような効果が出ない場合があるため、導入後はきちんと効果測定を行い、必要に応じて改善策を講じることが大切です。
本記事ではチャットボットの導入で期待できる効果や、チャットボットの効果測定に用いる主な指標、効果測定の方法について解説します。
目次
チャットボット導入で期待できる6つの効果
チャットボットを導入した場合に期待できる効果は大きく分けて6つあります。
1. 顧客対応の品質と顧客満足度の向上
オペレーターの知識や接客スキル、経験には個人差があるため、顧客対応の品質にはどうしてもばらつきが生じてしまいます。
顧客対応の品質が安定していなければ、「以前受けた回答と食い違っている」「人によって対応が違うから信用できない」など、顧客の不満や不信につながりがちです。
その点、チャットボットならあらかじめ登録・学習させたデータに基づいて自動回答するため、問い合わせのタイミングによって対応にばらつきが生じる心配はありません。
対応の内容に食い違いが発生するリスクも大幅に軽減できるため、顧客との間に生じるトラブルを減らす効果も期待できます。
また、チャットボット導入後もシナリオやFAQを適宜追加・更新すれば、より顧客対応が洗練され、顧客満足度のさらなる向上を目指せます。
特に生成AI搭載のチャットボットなら、利用されるほど回答の精度も上がっていくため、カスタマーサポートの品質を向上できるでしょう。
2. 従業員の負担軽減
カスタマーサポートや社内ヘルプデスクには、日々大量の問い合わせが殺到します。
しかし、少子高齢化に伴う労働生産人口の減少が社会問題化している現代では、多くの産業が人手不足に悩まされており、人員を容易に増やすことが難しいです。
その結果、各オペレーターの業務負担は増加し、長時間労働が常態化する要因となっています。
カスタマーサポートや社内ヘルプデスクにチャットボットを導入すれば、基本的な問い合わせやFAQはチャットボットが自動回答してくれるため、オペレーターの負担を大幅に軽減できます。
時間外労働の削減につながるのはもちろん、他にコア業務を抱えている場合はそちらの仕事に集中できるようになるため、労働生産性の向上も期待できるでしょう。
なお、有人対応への切り替えが可能なチャットボットを選択すれば、チャットボットだけで対応できない事案をオペレーターに回すことができるため、顧客対応の品質低下を防止できます。
3. 機会損失の防止
オペレーターによる有人対応は、基本的に営業時間内にしか行っていません。
そのため、顧客が「この商品についてもっと知りたい」「サービスに加入するにはどうすれば?」といった商品やサービスの購買につながる問い合わせをしたくても、定休日や営業時間外では対応できず、ビジネスチャンスを逃してしまう可能性があります。
その点、チャットボットは24時間365日稼働できるため、顧客からの問い合わせに随時対応できます。
貴重な機会を逃さず顧客のニーズに応えることで、商品やサービスの購買に結び付くチャンスが増え、業績アップにもつながるでしょう。
4. 社内教育の促進
業務上で分からないことや不安なことがあった場合、従業員は総務や社内ヘルプデスクに問い合わせる場合があります。
ただ、有人対応は問い合わせのハードルが高く「こんなささいなことを聞いたら迷惑かな」「忙しそうで質問しにくい」と遠慮して、問い合わせをためらう人も少なくありません。
疑問点が解消されないまま業務を続けると、業務効率が悪くなったり、思わぬミスやトラブルを引き起こしたりするリスクがあります。
その点、チャットボットであれば対人関係のような配慮は不要です。
ささいなことを何度でも質問できるため、疑問点や不安点を解消でき、結果的に従業員のスキルアップにつながるでしょう。
5. コストの削減
これまで有人対応していた業務をチャットボットに代行させると、時間外労働が縮小され、人件費の節約になります。
またオペレーターの新規採用コストの削減にもつながります。
また前述したように、チャットボットを社内教育に役立てることで、人材育成の手間とコストも省けるため、経済的なメリットも得られるでしょう。
6. 経営戦略に役立つ
チャットボットの多くは、利用歴をログとして残せる仕様になっています。
ログをデータとして収集・分析すれば、どのような問い合わせが多いのか、商品やサービスに対してどういったニーズや不満を抱えているのか、などを精査することができます。
分析結果を基にチャットボットのシナリオやFAQを更新すれば、さらなる顧客対応品質および顧客満足度向上を目指せる上、ニーズを反映した商品・サービスの開発に役立てることも可能です。
チャットボットの効果測定が必要な理由
チャットボットにはさまざまな効果を期待できますが、実際に導入前と導入後でどのくらいの効果が出たのかは測定してみなければ分かりません。
効果測定を怠ると、以下のようなリスクが生じる可能性があるため注意が必要です。
投資対効果の低下
チャットボットに限らず、企業が何らかの設備やサービスを導入する際は投資に見合った効果(投資対効果)を得られるかどうかが重要なポイントになります。
効果測定を怠ると、投資対効果を可視化できないため、投資に見合う効果が得られない状態になっていてもなかなか気付くことができません。
投資対効果が低いままチャットボットを運用すると、損失が膨らみ、場合によっては経営を圧迫する恐れがあります。
課題・問題の発見が遅れる
効果測定を実施しなければ、チャットボットの利用率や、利用中に発生した問題などを把握するのが遅くなりがちです。
すると、いつまで経ってもチャットボットの利便性が改善されず、利用率や顧客満足度の低下につながる可能性があります。
特に、チャットボットの回答に誤りがあったり、ハルシネーション(AIが事実と異なる情報を生成する現象)が発生したりしている状態を見逃すと、トラブルに発展するリスクがあるため注意が必要です。
現場の不満・混乱の発生
効果測定の結果を基に必要な改善・改良を行わなければ、チャットボットだけで対応するのが難しい問い合わせを有人で負担しなければならないため、従業員が不満を抱く可能性があります。
さらにチャットボットの使い勝手の悪さに対する苦情が寄せられるようになった場合、クレーム処理という余計な業務が増え、現場の混乱を招くことも考えられるでしょう。
チャットボットの効果測定に用いられる8つの指標
チャットボットの効果測定には、さまざまな指標が用いられます。
ここではチャットボットの効果測定に関する主な指標を8つご紹介します。
起動数
起動数とは、チャットボットを起動(稼働)させた回数のことです。
例えば、コーポレートサイトに設置されたチャットボットなら、設置したページを訪問した顧客がどのくらいチャットボットを利用したか、その回数をカウントします。
一方、社内ヘルプデスクに導入したチャットボットなら、従業員がどの程度チャットボットアプリを起動したかをチェックします。
チャットボットの起動数を、チャットボット設置ページに訪問した顧客数で割れば、チャットボットの起動率を求めることが可能です。
想定より起動数が少なければ、ページやプラットフォームそのものの利便性向上を試みたり、顧客に認知してもらうための施策を行ったりすると良いでしょう。
対応数
対応数とは、チャットボットが顧客の質問に対応した数です。
例えば、顧客がチャットボットを起動し、3回にわたって質問した場合、起動数は1、対応数は3となります。
起動数に対して対応数が少ない場合、質問する前に離脱した可能性があるため、最初に表示されるメッセージの見直しを図るなどの措置が必要です。
逆に、起動数に対して対応数が多過ぎる場合、顧客が求める回答をスムーズに提示できていない可能性があるため、回答内容の見直しが必要かもしれません。
対応件数が少ないか多いかを見極めるには、チャットボット1台当たりの対応数の平均を出したり、顧客からのフィードバックをチェックしたりする方法が有効です。
回答率
回答率とは、顧客からの質問に対してチャットボットが回答できた割合です。
質問数と回答数は通常1対1の割合になるため、回答率が100%に近いほど、チャットボットが理想的な対応をしている証拠になります。
逆に回答率が著しく低い場合、シナリオやFAQが不足、あるいは内容が適切でない可能性があります。
回答率が低ければ有人対応せざるを得ず、チャットボットの意義が薄くなってしまうため、速やかに改善策を講じる必要があるでしょう。
解決率
解決率とは、チャットボットの利用によって顧客が抱える問題・課題が解決できたかどうかを示す割合です。
前述した回答率が高くても、その内容が顧客の求めるものでなかった場合は解決率が下がります。
解決率が著しく低い場合、シナリオやFAQの登録内容に問題がある可能性が高いため、データを追加したり、回答を見直したりする必要があります。
なお、顧客の離脱=問題解決とは一概にいえないため、解決率を知りたい場合は回答を表示した後に「疑問は解決されましたか?」と問うメッセージと「はい/いいえ」などの選択肢を用意しましょう。
サイトへの遷移数
サイトへの遷移数とは、チャットボットの回答から関連するサイトに顧客を誘導できた数です。
例えば、ある商品に関する質問に対して商品の概要を説明するとともに、当該商品のページのリンクを貼り「詳細はこちらの商品ページからご確認いただけます」「商品はこちらのリンクからご購入いただけます」と誘導した後、実際に顧客がそのリンクをクリックしたらサイト遷移数1とカウントされます。
サイト遷移数が想定より多い場合、チャットボットが顧客の求める回答を提示できたことや、購買意欲向上に寄与する文言を用いたことを評価できます。
逆に遷移数が少ない場合、質問に対して適切な回答を提示できなかった可能性があるため、改善の余地があるといえるでしょう。
有人対応率
有人対応率とは、チャットボットを利用した顧客がどれだけ有人対応を利用したかを示す指標です。
有人対応率が高い場合、チャットボットだけでは問題が解決しなかった可能性があるため、シナリオやFAQの改善を行いましょう。
なお、チャットボットから有人対応に切り替えた理由をチェックすれば、チャットボットに不足しているデータや情報を把握しやすくなります。
再利用率
再利用率とは、過去にチャットボットを利用した顧客が、再度チャットボットを起動させた回数のことです。
再利用率が高いほど、顧客が利便性や有用性を高く評価している証拠といえます。
一方、再利用率が低い場合は顧客が何かしらの不満を感じ、次回の起動を控えている可能性があります。
再利用率は、チャットボット利用時に会員IDや社員IDなどを結び付けることで計測可能です。
フォールバック率
フォールバック率とは、顧客の質問に対して適切な回答を提示できず、定型的な回答を表示した割合です。
例えば、情報不足で答えられない質問が入力された際、「申し訳ありません。
お答えできません」といったメッセージがどのくらい表示されたかをチェックできます。
フォールバック率が高い場合、シナリオやFAQ不足が考えられるため、どのような質問に回答できなかったのかをログ履歴から確認し、FAQの追加や更新を行いましょう。
なお、フォールバックの中には、倫理的な問題などから適切な回答を提示できないケースも含まれます。
このようなケースがフォールバック率を上げる可能性もあるため、なぜフォールバックが起こったのか、その理由も踏まえて指標を活用することが大切です。
チャットボット効果測定の実践方法
チャットボットの効果を測定するためには、いくつかのステップを踏む必要があります。
ここではチャットボット効果測定の実践方法を7つのステップに分けて説明します。
1. ゴールを設定する
まずは、チャットボットを導入することでどのような効果・成果を期待しているのか、その目標(ゴール)を設定します。
目標は「業務を効率化する」「従業員の負担を減らす」といった曖昧なものではなく、「オペレーターの負担を20%削減する」「顧客満足度10%アップを目指す」など、明確な数値で設定するのがポイントです。
なお、その目標をいつまでに達成するのか、具体的な期間を設けることも大切です。
2. 効果測定に用いる指標を決める
チャットボットの効果測定に使用する指標を決めます。
選択する要素や指標は、チャットボットの導入目的や設置場所などによって異なりますが、例えば顧客満足度を向上させたい場合、解決率やサイトへの遷移数、再利用率などの指標を用いるのが有効です。
3. 効果測定に必要な要素を決める
指標の他に、チャットボットの効果測定に必要な要素を決定します。
例えば、どのような方法でデータを収集するか、いつからいつまでの期間で測定するか、などが挙げられます。
チャットボットの効果測定は定期的に行う必要があるため、運用の初回段階からルールを整備しておきましょう。
4. 目標値を設定する
最初に決めたゴールを達成するために必要な目標値を設定します。
例えば、解決率80%以上、サイトへの遷移数50%以上、再利用率60%以上など具体的に決めることが重要です。
また、目標値はゴールにたどり着けることを前提にした数値にする必要があります。
そのため、ゴールから逆算して設定するよう心掛けましょう。
5. データを収集する
効果測定に必要なデータを収集します。
データは、過去のチャットボットのログをダウンロードしたり、チャットボットアプリのダッシュボードをチェックしたりすることで収集可能です。
なお、チャットボットによっては一定期間を経過するとログ履歴が消去されてしまうものもあります。
ログ履歴は定期的にバックアップしておきましょう。
6. データを分析し、効果測定する
収集したデータを基に、分析および効果測定を行います。
チャットボットの導入効果の推移をスムーズにチェックするためにも、得られた結果はダッシュボードなどにまとめておくのがおすすめです。
7. 改善策を実行する
効果測定の結果と目標を照らし合わせ、ゴールに到達できたかどうかを確認します。
達成できなかった場合は、なぜ目標値にたどり着けなかったのか、その原因や課題を洗い出しましょう。
その上で、FAQやシナリオの改善、UIや初期メッセージの見直しなど必要な施策を継続的に行い、チャットボットの性能向上に努めます。
以上のプロセスを繰り返せば、チャットボットの顧客対応品質や回答精度が高まり、より有意義なツールとして活用できるようになるでしょう。
チャットボットの効果は定期的に測定し、改善に努めよう
チャットボットを導入すると、顧客対応の品質や顧客満足度の向上、従業員の負担軽減、機会損失の防止など、さまざまな効果を期待できます。
ただ、導入後の効果測定を怠ると、投資対効果が低下したり、課題や問題の発見が遅れて利用率や顧客満足度が落ち込んだりする原因となります。
チャットボットを導入する際は、起動数や対応数、解決率、有人対応率などさまざまな指標を用いて効果測定を行い、結果を基にチャットボットの性能改善に努めましょう。
Difyには、顧客との会話を記録できるメモリ機能やログの表示機能などに対応しています。
操作は直感的に行えるため、導入前後の効果比較や、投資対効果の可視化を簡単に実現できます。
手軽に効果測定を行いながらチャットボットを運用したい方は、ぜひDifyの利用をご検討ください。
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