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社内問い合わせの効率化はなぜ必要? 理由からシステム選定、効果測定まで解説

  • 投稿日
    2025.03.27
  • 更新日
    2025.03.27

社内問い合わせは、対応する社員にとって大きな負担になる場合があります。
「問い合わせが多過ぎる」「同じような質問が何度も来る」といった状況は、担当者の貴重な時間を奪い、主業務の生産性を低下させるためです。

また問い合わせをする側も、回答を得るまでに時間がかかったり、たらい回しにされたりすることで、業務効率が低下する可能性があります。
これらの課題を放置すると、社員のモチベーション低下や離職につながるリスクも考えられます。

本記事では、社内問い合わせを効率化するべき理由と方法、システム選定のポイントなどを解説します。

社内問い合わせを効率化すべき理由

トラブルの解決策や事務手続きの方法を知りたいとき、担当部署や知識のある従業員に問い合わせるのは一般的なことです。
しかし、社内問い合わせはデメリットが多く、頻繁に起きる場合は早急に効率化の方法を模索する必要があります。

本項では、社内問い合わせを効率化すべき3つの理由を解説します。

1. 従業員が主業務に集中できるようにするため

社内問い合わせは、専用の窓口やルールがないことも珍しくありません。
そうなると、問い合わせを受けた従業員が対応で手いっぱいになり、主業務を後回しにせざるを得ない場面が出てきます。
知識不足などで即答できない場合は、資料を調べたり他の従業員に聞いたりするため、より多くの手間と時間がかかります。

2. 従業員のストレスを軽減するため

社内問い合わせの対応は、従業員にとって大きな負担です。
忙しい時期に何度も問い合わせを受けたり、強い口調で問われたりすると、それだけでストレスの原因になってしまいます。

複数の部署から同じような問い合わせが続くと「またか」とうんざりする可能性もあり、業務へのモチベーションが低下しかねません。

3. 問い合わせをたらい回しにされるケースを避けるため

社内問い合わせの方法や手順がルール化されていない場合、質問をした従業員が複数部署をたらい回しにされる可能性があります。
誰に質問すれば良いか分からず、担当外の部署に問い合わせてしまうためです。

たらい回しは複数の従業員がリソースを割かれるため、作業効率の低下を招く懸念があります。
業務や知識が特定の従業員に属人化していると、そのリスクはより大きいです。

社内問い合わせを効率化するには

社内問い合わせを効率化するには「最新の情報をいつでも入手できる環境」と「従業員の意識」の整備が必要です。

本項では、社内問い合わせを効率化する6つの方法を解説します。

  • 問い合わせ内容の分析
  • 社内問い合わせ窓口の明確化
  • マニュアル・社内FAQの作成と共有
  • 問い合わせに対する従業員の意識向上
  • ナレッジマネジメントの普及
  • 社内問い合わせ管理システムの導入

問い合わせ内容の分析

社内問い合わせ効率化に当たり、まずは現状の分析をしてみましょう。
「似たような質問ばかり」「簡単な質問が多い」という傾向があれば、FAQの作成や社内問い合わせシステムの導入が効果的です。

他にも「同じ従業員が問い合わせを繰り返す」「ある時間帯に質問が集中する」など、意外な特徴が見つかるかもしれません。
このような場合は、原因を究明することで改善できる可能性があります。

社内問い合わせ窓口の明確化

社内問い合わせ窓口の明確化は、質問をする側と対応する側の双方にメリットがあります。

問い合わせをする従業員は、最初から的確な窓口に質問できるため、ダイレクトに回答を得られます。
たらい回しにされて時間をロスしたり、ストレスを感じたりする恐れもありません。

窓口となる部署は、あらかじめ「よくある問い合わせの内容と回答」を共有しておくと、誰が対応してもスムーズに回答できます。

窓口を明確化すると同時に、問い合わせ方法も統一しておきましょう。
電話、メール、ビジネスチャットなどさまざまな方法の中から、従業員が使いやすい手段を選択します。
メールやチャットなどテキストを使う際は「回答用テンプレート」を用意するとやり取りがスムーズです。

マニュアル・社内FAQの作成と共有

アカウント申請や経費精算などの手続き方法、ツールの使い方などは、社内問い合わせにありがちな内容です。
このような可視化できる情報は、あらかじめマニュアル化しておくと、問い合わせ件数の削減につながります。

社内FAQとは、従業員向けに「よくある質問と回答」を整理してまとめたものです。
FAQを検索できるデータベースが整っていると、従業員は自分の質問内容に沿って情報にたどり着けます。

マニュアルやFAQは、社内データベースのような共有の場所に設置し、全従業員にその存在を告知しましょう。
運用開始後は、担当者や部署を決めて定期的に内容を見直し、情報の鮮度を保つ必要があります。

社内FAQのデータベースは、エクセルなどの表計算ソフトで作成するのも1つの方法です。
表計算ソフトは項目やフォーマットに決まりがなく、必要に応じて配置やスタイルを決められます。
作成時間を短縮したいときは「通しNo・分類・質問・回答・備考」だけでも運用が可能です。

社内問い合わせに対する従業員の意識向上

人間関係が良好で、コミュニケーションが取りやすい職場環境は、従業員の快適さと働きやすさを向上させます。
しかし「社内問い合わせの削減」の面から見ると、逆効果になっているかもしれません。

質問がしやすい状況下では「調べるより聞いた方が早い」と考え、安易に問い合わせをする従業員が出てきます。

電話には「会話の内容が残らない」、ビジネスチャットには「やり取りが流れて後から見られない」といった点がデメリットです。
意識的に記録しておかなければ、同じ質問を繰り返す原因になりかねません。

このような事態は、社内問い合わせに対する従業員の意識に問題があります。
「問い合わせは相手の時間を奪う行為」「一度質問した内容は二度と聞けない」といった認識が必要です。

ナレッジマネジメントの普及

ナレッジマネジメントとは、個人のナレッジ(知識やノウハウ)を組織全体で共有して活用することです。
ナレッジマネジメントの意識がなければ、従業員が自分のナレッジの価値に気付かなかったり、共有しようと考えなかったりします。

そうなると、従業員は疑問点を自分で調べるのではなく「あの人に聞けばいい」「あの人にしか分からない」と考えてしまいます。

特に総務部や情報システム部などのバックオフィスは「社内問い合わせの対応も業務の一環」と思われがちです。
しかしナレッジマネジメントが普及し、情報がまとめられていれば「自分で調べた方が早い」と意識を変えられる可能性が出てきます。

社内問い合わせ管理システムの導入

社内問い合わせ管理システムを導入すると、大きなメリットがあります。

まずは問い合わせの履歴や内容、解決策が一元管理され、従業員がシステムを通して情報を共有できることです。
従業員は問い合わせ効率化システムで検索すれば、欲しい情報をいつでもダイレクトに入手できます。

問い合わせの件数が減少するため、質問をする側もされる側も、落ち着いて主業務に集中できるはずです。

ただし、社内問い合わせ管理システムには、情報の定期的な更新が必要なものも少なくありません。
導入効果を得るには、担当者を明確にした運用体制の整備が必要です。

表計算ソフトによる社内FAQの作成は、コストをかけずに社内問い合わせを効率化したい場合に有効です。
しかし、誰にでも扱えるソフトだからこそ、ルールに基づいた慎重な運用が求められます。

社内問い合わせ管理システムの代表例

よく使われる社内問い合わせ管理システムには「FAQシステム」と「チャットボット」があります。
本項では両者の特徴とメリット・デメリット、違いについて解説します。

  • 社内向けFAQシステム
  • 社内向けチャットボット
  • 社内向けFAQシステムと社内向けチャットボットとの比較

社内向けFAQシステム

FAQとは「Frequently Asked Questions」の略で「よくある質問と回答」を指します。
そして社内FAQシステムは、従業員がFAQをいつでも見られるように共有するためのシステムです。

社内向けチャットボットがコミュニケーションの手段であるのに対し、社内向けFAQシステムはナレッジのデータベースです。
ただし、FAQシステムはサイトの形を持つため、コミュニケーション手段と見なされる場合もあります。

社内向けFAQシステムのメリットとデメリットは、以下の通りです。

メリット・社内のナレッジがデータベース化されるため、従業員全員が同じ情報を共有できる
・よくある質問と回答がまとめられており、情報の網羅がしやすい
デメリット・情報が増えるにつれて管理担当者の負担も大きくなる

社内向けチャットボット

チャットボットは、まるで会話をするかのように、質問に対して自動で回答してくれるシステムです。
従業員に問い合わせる感覚で気軽に扱えて、残業や休日出勤の時間帯でも使えます。
特に従業員が多い企業では、チャットボットの導入効果をより強く感じられるでしょう。

チャットボットには、次の2つのタイプがあります。

  • ルールベース型:質問に対して、チャットボットが回答の選択肢を示し、従業員はその中から解決方法を選ぶ
  • 自動学習機能型:質問に対して、チャットボットに搭載されたAIが、適切な答えを出す

社内向けチャットボットのメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット・問い合わせ先のリソースを割かずに回答を得られる
・業務時間外でも対応できる
・些細な質問も遠慮なくできる
・知識や業務が特定の担当者に偏るのを防げる
デメリット・すぐには回答の精度が上がらない
・完全には自動化できない
・自社に合うチャットボット製品を選ぶのが難しい

社内向けチャットボットと社内向けFAQシステムの比較

社内向けチャットボットと社内向けFAQシステムには、他にも以下のような違いがあります。

社内向けFAQシステム社内向けチャットボット
検索方法キーワード検索チャットボットとの会話
回答取得までの時間検索するため時間がかかるすぐに回答を得られる
回答の表示方法回答候補を一覧で表示回答を的を絞って表示
回答の情報量細かい情報を得られる少ない
設置できる場所WebサイトのみWebサイト、ビジネスチャット
分析可能な利用状況・質問の内容
・質問と答えが閲覧された回数
・質問の内容
・質問と答えが閲覧された回数
・疑問を解決できた割合
・解決できなかった質問(アンマッチデータ)の内容
従業員の手軽さ・検索キーワードの検討や表示された結果の選択が必要・人に問い合わせる感覚で利用できる
・曖昧な質問でも会話形式で回答を得られる

社内問い合わせ管理システムを選ぶポイント

社内問い合わせ管理システムは、コストも機能もさまざまです。
自社に合うものはどれなのか、以下のポイントを踏まえて慎重に検討しましょう。

  • 必要な機能がそろっているか
  • 費用対効果の確認
  • 操作性はどうか
  • 将来的な拡張性はどうか
  • セキュリティ対策は十分か
  • サポート体制は整っているか

本項では、この6つについて解説していきます。

必要な機能がそろっているか

社内問い合わせ管理システムを検討する最初のステップは、導入目的を確認し、どのような機能が必要かを洗い出すことです。
「従業員の代わりに回答させたい」「従業員のナレッジを集めて整理したい」など、目的によって最適なシステムは異なります。

システムを選ぶ際は、目的を達成するのに必要な機能がそろっているかどうか、慎重に確認しておきましょう。

費用対効果の確認

費用対効果の確認も大切なポイントです。
社内問い合わせ管理システムの導入にかかるコストと、導入によって削減できる効果をもれなく比較する必要があります。

導入コストは初期費用だけでなく、その後にかかる運用費も合わせた検討が必要です。
削減が見込まれる社内問い合わせの件数・対応時間を算出しておくと、導入後の変化と比較できます。
数値化できないメリットなど、定性的な効果も忘れずに加味しましょう。

操作性はどうか

社内問い合わせ管理システムは、誰でも手軽に使えなければなりません。
操作性が悪いと、使用方法を覚えられなかったり、使いにくかったりするからと敬遠する従業員が出てくる可能性があります。

操作が簡単で、視覚的に操作方法が分かるかどうかも選択基準の1つです。
「社内問い合わせ管理システムを使うために問い合わせをする」ことがあれば、システムの効果が大幅に下がってしまいます。

将来的な拡張性はどうか

社内問い合わせ管理システムは、必要に応じて他のシステムと連携させられる拡張性も重要です。

導入前に、外部ツールとの連携性や外国語対応の可否などを確認しておきましょう。
将来的に既存ツールの入れ替えや外国籍従業員の受け入れをする場合、必要になる可能性があります。

セキュリティ対策は十分か

社内だけで使用するシステムであっても、セキュリティ対策は欠かせません。
社内問い合わせ管理システムには、緊急連絡先など従業員の個人情報や、企業秘密を含むデータが保存される可能性があります。

リモートワークや出張が多ければ、外部からシステムを利用する機会も増えるはずです。
社内問い合わせ管理システムには、従業員が気軽に使える操作性とセキュリティ対策が求められます。

サポート体制は整っているか

提供するベンダーのサポート態勢も重要です。
システムの不具合や不明点が発生したとき、提供元のサポートを受けられなければ、解決まで時間がかかってしまいます。

サポートを無償で受けられる範囲と、有償サポートが必要なときの金額も、忘れずに確認しておきましょう。

社内問い合わせ管理システム導入後の効果測定

社内問い合わせ管理システムの導入・運用開始後は、効果を具体的に測定し、費用対効果を明確にするのが重要です。
効果測定は導入する前と運用開始後の状態を比較するため、導入前の現状分析が必要な項目もあります。

効果測定の流れは以下の通りです。

  • 項目の決定と目標設定
  • 効果の測定
  • 比較・検証

項目の決定と目標設定

まず測定項目と目標値を定めます。
効果測定をする期間も決めておきましょう。

以下は測定項目の一例です。

  • 問い合わせ件数・対応時間の変化
  • 社内問い合わせ管理システムの起動回数
  • (チャットボット)回答率
  • 従業員の満足度

効果の測定

運用が始まったら、必要なデータを収集して効果測定を行います。
例に挙げた測定項目の場合、チェックポイントは以下の通りです。

問い合わせ件数・対応時間の変化従業員間での問い合わせ件数が減少したか
問い合わせを受けた際の対応時間に変化はあったか
社内問い合わせ管理システムの起動回数事前の想定に対し、実際にシステムを起動した回数はどうだったか
(チャットボット)回答率チャットボットの回答がどのくらい従業員の要求を満たしているか
従業員の満足度導入した社内問い合わせ管理システムに対し、従業員がどのくらい満足できているか
(システムで測定できない場合はアンケートなどを実施する)

比較・検証

データが収集できたら、導入前後の変化を比較・検証します。
以下はその一例です。

従業員間での問い合わせ件数が減少していない質問と回答の数が足りない
(チャットボット)問題解決できる回答を表示していない
システム起動回数が想定より少ない従業員がシステムを認識していない
使いにくいなどの理由でシステムを利用していない
(チャットボット)回答率が低い回答を修正する必要がある
従業員の満足度が低い使いにくい
欲しい情報を得られていない

社内問い合わせ管理システムのチャットボットは自作できる

今回の記事では、社内問い合わせの効率化が必要な理由とシステム選定のポイント、導入後の効果測定について解説しました。

社内問い合わせの問題点や原因は、企業によってそれぞれ異なります。
既存の社内問い合わせ管理システムでは、個々の事情に対応しきれないケースも考えられます。
そのような場合は、生成AIアプリケーションを独自に作成して、社内問い合わせの効率化に活用するのも一つのアイデアです。

TDSE株式会社が日本国内でテクニカルサポートを行っている「Dify」は、必要に応じた生成AIアプリケーションを開発できるツールです。
チャットボットやAIエージェントなど幅広く対応できます。

また、Difyはノーコードで開発可能なツールのため、プログラミングの知識がない方にも、ドラッグ&ドロップで視覚的にご利用いただけます。

さらに、DifyはOpenAIやANTHROPICなど複数のLLMに接続できるため、さまざまなビジネスニーズに対して柔軟な対応が可能です。
さまざまな外部ツールに連携しており、例えば「Notionのデータに基づくRAGを作成する」といった使い方もできます。

AIを用いて社内問い合わせ業務を効率化したいとお考えの企業担当者の方はぜひお気軽にお問い合わせください。

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